『SIPS:シップス』とは?SNSマーケティング担当者が知るべき消費者行動
SNSマーケティング担当者として活動するなか、「SIPS(シップス)」と呼ばれる消費者の行動モデルを知った方は多いでしょう。
大昔から主流だった「AIDMA(アイドマ)」とは何が違うのか?
今回はSNSマーケティング担当者が知っておくべきSIPSについて解説します。
目 次
「SIPS」とは?
SIPSとは、2011年1月31日に電通サトナオ・オープン・ラボ※が提唱した消費者の行動モデルです。
※シニア・クリエイティブ・ディレクターの佐藤尚之氏を中心に、電通社内で誕生した次世代型ソリューションを考察するユニット
SIPSはそれ以前まで主流だったAIDMAと異なり、「SNS時代を主眼に置いた消費者行動モデル」として着目されました。
「SIPS」による消費者行動の流れ
SIPSでは共感→確認→参加→共有・拡散という形で消費者行動が広がっていくと説明しており、SIPSこそが今後のSNSマーケティングにおいて指針とすべき消費者行動モデルだと言えるでしょう。
では、SIPSの流れを解説していきます。
Sympathize(共感する)
従来型の消費者行動モデルであるAIDMAの「A」はAttension(認知)を意味し、消費者が商品やサービスを認知するところが全ての入り口と考えていました。
しかし、AIDAMが提唱されたのは約100年前であり、その間に消費者行動は大きく変化しています。
そして、最も大きな変化といえば「インターネットの発展とSNSの普及」です。
これに伴い情報の価値も変化し、今では「共感される情報」こそが高い価値を持っていると言えるでしょう。
つまり現代社会の消費者行動の多くは「共感する」ことから始まり、そこから商品やサービス、あるいはブランドへの興味・関心へと繋がっていきます。
Identify(確認する)
SNS等を通じて他者や企業が発するメッセージに共感すると、消費者はあらゆる手段を使って「情報の確実性」と「自分に対する有益性」を確認します。
別のSNSプラットフォームやGoogleを使った情報検索、個人・企業のホームページやクチコミサイトのチェック、あるいはSNSを使って自ら情報発信し他者の意見を仰いだりもします。
複数の経路からさまざまな情報を確認し、「情報の確実性」と「自分に対する有益性」を感じられれば購入・利用に至るのです。
Participate(参加する)
共感する、確認するまでの消費者行動モデルはSNS社会以前でも見られていたプロセスなので、真新しいものではありません。
SIPSと従来の消費者行動モデルが決定的に異なるのは、「参加する」というプロセスです。
購入・利用した商品やサービスは、SNSなどを通じて消費者自らが情報発信元となり、企業の販促活動へ必然的に参加します。
従来もブログによる情報発信は可能でしたが、SNSがその手軽さを大きく変え、世界中のユーザーがあらゆる情報を発信するようになりました。
SNSマーケティング担当者が最も注力すべきは「自社の商品やサービスを購入・利用した消費者を如何にして販売促進に協力してもらうか?」という部分と言えるでしょう。
消費者に対して商品やサービス、ブランドなどの情報を発信し購入・利用を促すだけなら、従来のマスマーケティングと変わりありません。
SNSマーケティングの利点は、「消費者自身の手によって商品やサービスの販売促進を促せる仕組みづくりができる」ところにあるのです。
商品やサービスを購入した消費者は最終的に情報を共有し、家族・友人・知人に対して情報を拡散していきます。
この拡散範囲が大きくなるほどSNSマーケティング効果も大きくなり、SIPSにおける「共感してくれる消費者」をさらに増やすことができます。
SIPSを方針としたSNSマーケティングを実施するだけでなく、商品やサービスを魅力的なものにする努力も必要です。
しかし、SNSが浸透しきった現代社会においては、同じような商品やサービスでも情報の共有・拡散をうまく促せる方が、圧倒的な市場シェアを握ることになるでしょう。
日頃のSNSマーケティングに「SIPS」を取り入れよう
SIPSはSNS時代の消費者行動を反映したモデルです。まだSIPSを取り入れていないという担当者の方は、日毎のSNSマーケティングにSIPSを意識してみてください。
1つひとつのプロセスにおいて、「どういった仕組みづくりができるか?」を考えてみるだけで、現在のSNSマーケティングを改善できる可能性があります。
以下の記事ではSIPSを取り入れたSNSマーケティング事例を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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