SNSのカタログ化でフォロワーが増えない3つの理由【成功事例も紹介】商品を売りたい欲求は出しちゃダメ!
アパレル業において、自社ブランド商品を不特定多数のユーザーに発信できるSNSは魅力的なマーケティングツールです。一方で、アパレルブランドの公式アカウントを眺めていますと、ブランドによってSNS運用の明暗が大きく分かれていることに気づきます。
同じような規模で、同じような商品を販売しているブランドでもフォロワー数にかなりの違いが出てしまってるのです。
分析する中で、その原因の1つが「SNSのカタログ化」であることに気づきました。今回は、SNSのカタログ化によりなぜフォロワーが増えないのか、その理由をご紹介します。
目 次
SNSのカタログ化でフォロワーが増えない3つの理由
SNSのカタログ化は、効率よく自社商品をアピールできると考え実施しているブランドが少なくありません。あるいは、ネタ切れにより自然とカタログ化してしまっているのでしょう。
一方で、「面白くない」「ECで見れる」「拡散性が低い」という3つの理由から、フォロワーが増えない原因になってしまっています。
カタログ化されたSNSは “面白くない”
SNSを利用するユーザーには、情報収集や気になる著名人の投稿閲覧の他、「娯楽」という目的もあります。
「何か面白い投稿や写真はないかな?」と何気なく眺めているわけなので、カタログ化されたSNS投稿を見ても、当然ながら面白いとは感じません。
SNSユーザーの多くは「ユニークな投稿やアカウント」を求めているため、カタログ化されたSNSは刺さらないのです。
商品詳細は結局のところECで見れる
昨今ではECサイトを運営していないアパレルブランドを探すことの方が難しいくらいなので、SNSで流れてくるアイテム投稿には興味を示さない傾向があります。
ECサイトを見れば詳細と、さらに多くの写真が掲載されているわけですから、わざわざSNSで閲覧するようなものではない、と考えてしまうのです。
アイテム投稿は拡散性が非常に低い
さまざまなアパレルブランドのアイテム投稿に総じて言えるのが、「拡散性が非常に低い」ということです。ここで、SNSユーザーがシェアする心理について考えてみましょう。
・自己主張のため
・推しを応援するため
・承認欲求を満たすため
大半のシェアというのは、このような心理から生まれます。従って、アパレルブランドのアイテム投稿にはこれらの心理に合致するような特性が少なく、拡散性が自然と低くなってしまうのです。
アパレル業の参考になるSNSアカウント
では、SNSのカタログ化に陥らず、フォロワーを増やすにはどうすれば良いのかを知るために、2つのSNSアカウントを参考にしてみましょう。
土屋鞄製造所
Twitter/2.4万フォロワー
Instagram/10.7万フォロワー
ランドセル作りに始まり、現在では世界でも人気のある革製品ブランドへと成長した土屋鞄製造所のTwitterアカウントは、SNSマーケティングのヒントで溢れています。
Twitterのつぶやきはアイテム投稿が少なめ、スタッフが日常の中で気づいたことや、ブランドに対する想いなども積極的に投稿してストーリーを生ませています。
フォロワーとのコミュニケーションもしっかりと生まれているので、ブランドファンを作ることができます。一方で、Instagramにおいても、ブランドのストーリーや職人の想いなどを大切にしている投稿が散見されます。
Knot
Twitter/1.2万人
Instagram/3.0万人
Knotは2015年3月に1号店をオープンし、現在では海外を含めて24店舗まで成長したカスタマイズウォッチブランドです。Twitterではアイテムを紹介するような投稿はほとんど見受けられず、ユーザーにとって有益な情報発信に努めているように感じます。
Instagramではショップスタッフが実際に身につけているKnotの時計を投稿し、共感を呼びかけています。いずれの投稿もスタッフ視点で時計を見下ろしているような写真となっており、時計と共にチラッと写るスタッフのファッションが身につけた時のイメージを湧かせやすくなっています。
土屋鞄製造所またはKnotのSNSアカウントのように、SNSをカタログ化するのではなく、さまざまなアイディアでユーザーが見て「楽しい」「ためになる」と思えるような投稿を心がけてみてはいかがでしょうか。
SNSのカタログ化は今日限りでやめよう!
SNSのカタログ化により、「商品を売りたい!」という気持ちが前面に出てしまい、ユーザーの気持ちを引かせてしまうこともあります。
SNSマーケティングというのは、最終的には売上アップに貢献するのが目的なのですが、それをオブラートに包み込んだ方がユーザーに受け入れられやすく、フォロワー増加に繋がります。
従って、SNSのカタログ化はやはりお勧めしません。この機会に脱・カタログ化を目指し、本当に効果のあるSNS運用を目指していただきたいと思います。