【しまむら】に学ぶ!インフルエンサーを起用したSNS販売戦略とは
みなさんは「ファッションセンターしまむら」をご存じでしょうか?
しまむらは「20~60代の女性とその家族」をターゲットに、主に衣料品を提供する企業です。
郊外の立地が多いため、ファストファッションでおなじみの「ユニクロ」や「GU」に比べると、知名度は圧倒的に高いというわけではないかもしれません。
もともと埼玉県の小さな呉服店がしまむら発祥の地です。そこから徐々に全国へと展開していき、いまやしまむらの店舗数だけで1,400店以上を、47都道府県各地に構えています。
低価格&豊富な品ぞろえが強みのしまむら。その販売戦略のなかに「インフルエンサーマーケティング」を導入しているのでは?!という事例を発見しました。
そこで今回は、しまむらのビジネスモデルや販売戦略を紐解き、しまむらのインフルエンサーマーケティングについて分析していきましょう。
目 次
しまむらのビジネスモデル
しまむらの強みは、高品質な商品を低価格で売り出していること。高品質なだけでなく常にトレンドを意識した商品が並べられているのも、消費者にとっては魅力的です。
しまむらは自社独自のプライベートブランドを持つほか、ファッション雑誌やインフルエンサーとのコラボで打ち出されたオリジナルブランドも多数展開しており、商品開発力の高さもしまむらの強みといえるでしょう。
出店から仕入れ、物流、そして店舗での販売に至るまで、それぞれの過程に独自の仕組みを取り入れることで、“ローコスト”でのオペレーションを可能にしています。
しまむらの販売戦略「4P」を分析!
そんなしまむらの「4P」を分析してみましょう。
マーケティングにおける4Pとは、販売戦略の柱となる4つの課題のこと。それぞれ頭文字の「P」を取り上げて4Pと呼ばれています。
4つの単語の意味は以下の通りです。
マーケティング戦略を練る際には、この4つの観点から商品やサービスが効率的に売れる仕組みづくりを考えていくことが大切です。
しまむらの4Pを分析してみると、「Product(製品)」と「Promotion(販売促進)」に、SNSで活躍中のインフルエンサーをうまく取り入れていることがわかります。
つまり、しまむらは「インフルエンサーマーケティング」を活用しているのです。
具体的にどのような手法で取り入れているのか、分析してみましょう。
【Product】人気インフルエンサーとのコラボ服を続々開発
自社独自のプライベートブランドも数多く持つしまむら。さらにここ数年で、ファッションインフルエンサーとコラボした製品の開発を積極的におこなっています。
代表的なコラボは「プチプラのあや」さんや「星玲奈」さんなど。
プチプラのあやさんのInstagramのフォロワー数は56.4万人。
星玲奈さんは44.5万人。2人とも、ファッションインフルエンサーとして絶大な人気を誇っています。
しかししまむらはここだけに留まらず、もう少しフォロワー数の少ないインフルエンサーを起用したプロジェクトを発足。
プロジェクト名は「みんなで作るしまむらプロジェクト」!
起用された人気インフルエンサーの一部をご紹介します。
・さっぴさん(@____sappi____):フォロワー8.8万人
・おみさん(@omi08wear):フォロワー5.4万人
・ゆきさん(@yuki__wear):フォロワー1.1万人
インスタのフォロワーが1万人以上いるだけでも、界隈ではもう有名人といっても過言ではないと思いますが、プチプラのあやさんや星玲奈さんの規模と比べると、フォロワー数が少ないのでは?と感じる人もいるのではないでしょうか。
しかしそれぞれ発売と同時に売り切れするような商品も出るほど、人気を集めている企画となっています。
また一度だけに留まらず、定期的にさまざまなコラボ企画を実施することで、消費者の注目を常に集めているように思います。
とはいえしまむらでは、大体的に広告を発信しているわけではありませんよね。
しまむらのテレビCMなど、ここ最近目にすることもなくなったのではないでしょうか。(※しまむらの2021年度の決算資料によると、テレビCMをゼロにする方針を示していたようです)
では一体どのようにして「販売促進」の課題をクリアしているのでしょうか。
【Promotion】インフルエンサー自らSNSで商品の魅力を発信
しまむらがテレビCMをゼロにしても売上を伸ばし続けているのには、計算し尽された販売戦略に秘訣があります。
人気インフルエンサーたちとのコラボ企画により開発された商品。企画に携わったインフルエンサーたちは自らのアカウントから「しまむらとコラボした商品」について発信しますよね。すると、必然的にフォロワーたちの目に留まります。
フォロワー数が多ければ多いほど、投稿を目にする人は多くなるため、インフルエンサーが企画したアイテムを“知る”人も必然的に多くなるでしょう。
結果として、商品の企画段階から自然とプロモーションが成立していることになります。
ファッションインフルエンサーたちは日常的に、自分が実際に購入して気に入ったアイテムを身に着けて「こんなところがよかった!」「こうやって着るとかわいい」といった発信をおこなっています。
そしてそれを見たフォロワーも実際にアイテムを購入し、自分の目でその商品の良さを確かめます。
そうしてインフルエンサーの発信が徐々に信ぴょう性を増していくことで、相互の信頼関係が築き上がります。ここにはインフルエンサーの根強いファンが定着していくといったサイクルが垣間見えるでしょう。
「インスタで人気ではあるけど、テレビに出演しているような有名人という立ち位置ではない」。
そんなインフルエンサーを身近な存在に感じているユーザーも多いはず。
それこそが、しまむらの戦略にぴったりと当てはまり、嫌味のないインフルエンサーマーケティングを実現しているのではないでしょうか。
まとめ:インフルエンサーマーケティングを導入してみよう!
今回は、しまむらのインフルエンサーマーケティングを分析しました。
しまむらでは「製品」と「販売促進」の2つとSNSをうまく結びつけ、業績アップにつなげていることがわかりましたね。
自社に当てはめたとき、どのような戦略で実行していけば良いか、想像はつきましたか?
しまむらの成功事例を参考に、ぜひ自社にもインフルエンサーマーケティングを取り入れてみてくださいね!