ライブ配信|急激に注目を集めている『ライブコマース』とは?~メリットから注意点まで、ライブコマースの基本をお伝えします~
近年、注目度が急激に高まっている『ライブコマース』。
新型コロナウイルスの影響でSNS需要が高まったことにより、時代のニーズに合った新たな手法として話題を呼んでいます。
なぜそれほどまでに注目されているのか。
今回は、そもそものライブコマース概要からメリットや注意点の解説を通して、ライブコマースが注目されるワケを紐解いていきます。
目 次
『ライブコマース』の概要
ライブコマースってなに?
そもそもライブコマースとは、“ライブ配信”と“Eコマース”を掛け合わせた造語。
ライブ配信を通じて、商品やサービスの紹介・販売を行う新たな販売形態です。
従来のテレビショッピングと似た形式ですが、動画を配信するのはテレビではなくインターネット。そして配信中に、視聴者がリアルタイムで商品について質問等コメントを投げることができる利点があります。
いわゆる、テレビショッピングの進化版と言えますね。
ライブコマース市場が拡大し始めた最大のきっかけは、新型コロナウイルスの流行。
コロナ禍によるおうち時間の増加とともにSNS利用率が上がり、ライブ配信やECサイトの需要が高まったことが始まりです。
現在は世界中に広まっているライブコマースですが、実は中国から広まったことをご存じでしょうか。
始まりは中国だった
中国では偽物や質の低い商品が流通しており、商品の安全性・信用度が高くありません。
ですが、「人気のあるインフルエンサーが紹介する商品なら!」と信頼できる人物から安心して購入できることで注目を集め、市場が拡大していきました。
今や国内のインターネット利用者の6割以上、人口にすると6億人以上がライブコマースでの購入経験があると報告されているほど!
中でも驚愕の記録を持つのが、中国トップインフルエンサーの男性美容家「李佳琦(Austin)」。
彼は美容部員時代のスキルを活かし、ライブ配信中のたった5分間で15,000本の口紅を販売することに成功。その後も次々と記録を塗り替え、1回のライブ配信で2,000万元(3億2,000万円)を売り上げるまでになりました。
通称「口紅王子」として、中国の人気ライブ配信アプリ「淘宝直播(タオバオライブ)」で人気TOP10に入るなどライバーとしての地位を確立しています。
ライブコマースの先進国として、今後更なる市場の拡大が期待されますね。
ライブコマースが注目されるワケ:メリット5選
では、これほどまでに世界中に注目されるライブコマース需要とは何か。
着々と市場が拡大しているワケは、下記のメリットにありました。
メリット①費用が安価に済む“コスパの良さ”
メリット②“動画だから伝わる”商品やサービスの魅力
メリット④“インフルエンサーの起用”で新たな購買層の獲得
メリット⑤“顧客のリアルな声”を今後に生かせる
メリット①費用が安価に済む“コスパの良さ”
ライブコマースと似た形式のテレビショッピングの場合、テレビというすでに流通している媒体のため、多くの人の目に留まりやすい傾向はあります。
ただし、テレビの生放送となると様々な費用が発生するため、とても手軽に活用できるものとは言えません。
一方ライブコマースの場合、配信に使用する機材と環境が整っていれば初期費用なしで始めることが可能です。機材を揃えるところから始めても、テレビショッピングと比べれば費用は大分抑えられるかと思います。
費用を要するテレビショッピングに比べて手軽なライブコマースは、大企業・中小企業の垣根なく始めることができる利点があります。
メリット②“動画だから伝わる”商品やサービスの魅力
静止画やテキストが一般的のECサイトでは、どうしても使用方法や質感などを伝えるには限界があります。実際に商品を購入した際に、“想像と違う”といった苦い経験をしたことのある方は多いのではないでしょうか。
しかしライブコマースなら、実際に商品やサービスを利用するところが見られるので、視聴者側は想像がつきやすくなります。結果、購入者の満足度は上がり返品の削減に繋がる可能性も。
セレクトショップ「UNITED ARROWS」では、商品を実際に着用してコーディネートを提案するインスタライブを配信。気に入った商品は配信中にそのまま購入することができるライブショッピング形式になります。
ECサイトでの着用写真は、モデルの身長が分からずいまいちサイズ感がつかめませんが、ライブ配信なら問題ありません。ショップ店員が自分の身長を踏まえて使用感を伝えてくれたりしますので、そういったお悩みは解消されます。
メリット③“双方向”のコミュニケーションがとれる
ライブ配信の肝ともいえるのが、配信者と視聴者がリアルタイムでコミュニケーションを取れること。
テレビショッピングでは、リアルタイムでの配信になりますがコミュニケーションは取れません。逆にSNS投稿では、コメント機能でコミュニケーションを取ることはできますがリアルタイムではありません。
よって双方のいいとこどりがライブコマースなんです。
“リアルタイム”で”双方向のコミュニケーション”が取れるということは、まるで実際にショッピングをしているかのような臨場体験を味わうことができます。
コロナ禍で外出を控えている方にはもちろん、意外に多い「店舗でお買い物をしたいけど店員に話しかけられるのは苦手」なんて方にも需要が高いです。
メリット④“インフルエンサーの起用”で新たな購買層の獲得
中国でライブコマース市場が拡大したきっかけに“インフルエンサーの起用”を挙げましたが、それは日本にも共通します。
ファストファッションブランド『GU』では、2020年12月25日にGU初のライブコマースを実施。
ファッションやメイクなど女性向けコンテンツを発信するYouTuber『ももち』とコラボし、リアルタイムで1000人以上の集客を成功させました。
GUユーザーだけでなく、ももちのファンも呼び寄せることができ、販売中に商品が完売してしまうほどの大盛況ぶりだったとか。
このように多くのファンを持つインフルエンサーを起用することは、今までそのブランドに馴染みのなかった新たな購買層の獲得に繋がる大きな機会となります。
メリット⑤“顧客のリアルな声”を今後に生かせる
リアルタイムでコミュニケーションを取れることによる利点はまだまだあります。
ECサイトでは、購入者によるレビューを投稿することができる場合が多いです。
あるいはサイトのお問い合わせフォームから、商品への要望等を送れる場合もあります。
ですがレビューやお問い合わせは、送るハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
一方でライブ配信のチャットならば、配信者の顔が見える状態かつ気軽なチャット機能なので、率直な意見や要望を送りやすくなります。また、そのコメントに対して配信者はリアルタイムで反応することができるため、コメントする視聴者側も届いたことが目に見えてわかるのが嬉しいですよね。
ライブ配信だからこそ得ることのできる視聴者からの率直なコメントは、顧客だけではない消費者のリアルな声を知ることができます。
今後の商品開発に生かし、顧客の幅を広げるチャンスになるわけです。
ライブコマースをご検討の方は要チェック:2つの注意点
上記のメリットを踏まえ、ライブコマースをご検討の方に押さえておいていただきたい注意点が2つあります。
ライブ配信によるトラブル
ライブコマースの魅力である生配信。ネットワークが不安定で配信が途切れてしまったり、カメラやマイクの機材トラブルで中断……なんてことが起きても、配信中の内容はそのまま視聴者が目にすることになってしまいます。
未然に防ぐためにも、回線環境の確認や配信テストを行うといった事前準備が大切です。
配信者の言動・振る舞い
こちらも生配信だからこその注意点。ライブ配信は、配信者の何気ない言葉遣いや仕草から本音が見えてしまいがち。
特にインフルエンサーを起用する場合は、注目度が上がる分そういったリスクはさらに伴います。インフルエンサーが商品を十分に理解していなかったり、態度が悪かったりなんてことがあれば、ブランドの信用を失いかねません。
インフルエンサー選定の際にリサーチを入念に行うこと、配信をスムーズに進めるための台本を用意することなどが必須になってきます。
まとめ
ライブコマースは、従来では叶わなかったリアルタイムでのコミュニケーションが可能になる、非常に時代のニーズに合った販売形態です。ライブコマースをきっかけに、ECサイトの可能性が大いに広がる未来もそう遠くはないでしょう。
まずは導入部分と言える基本的なことをお伝えしましたが、次はライブコマースを導入するために何から始めればいいのか、そもそもどの商品がライブコマースに合っているのか……。
いろいろと新たな疑問が生まれてくるかと思いますが、こちらはまた別の機会にお話しいたします!
【ライブコマースの始め方:近日公開予定】
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